探偵社の成り立ち−京都の興信所

 

探偵社の成り立ち
■ 日本における探偵の語源

探偵と言う言葉が生まれたのは、明治維新の後1800年代後半にまで遡ります。

当時の日本国内の情勢は、東京、大阪、京都などをはじめ、全国各地でおこるテロや暴動により治安が安定せず、政府が各地に密偵を配置させて情報を収集していました。
この頃から探偵という言葉が出始め、語源とされています。当初は警察官を探偵と呼んだりもしていたようです

■ 海外の探偵と探偵社

海外における、個人の私立探偵の存在は意外に古く、年代は定かではありませんが、イギリスやフランスなどで確認されています。

個人で活動していた探偵が、世界で初めて探偵社を設立したのは、1833年のフランス。
ヨーロッパにおいて、工業、商業などが飛躍的に発達した、いわゆる産業革命と呼ばれた時代に誕生したとされています。
急激な発達による生活範囲の拡大や人口の増加など、私立探偵個人では情報の収集が間に合わなくなり設立に至ったと考えられます。

この、世界初めての探偵社を設立したのは、フランスの元兵士であり、犯罪者とされたフランソワ・ビドック。
彼は脱獄と変装が得意だったらしく、出獄後その能力を買われ、パリ警察に密偵としてスパイ活動や情報収集を行っていたようです。

1841年には、アメリカにダン興信所が設立され、その後、リンカーン暗殺計画を未然に阻止したことで有名になった、ピンカートン探偵社が1852年に設立されます。
アメリカにおける、探偵社の存在は、企業を相手にした調査ではなく、ボディーガードなど警備や警護を軸として運営されていたようです。
現在でも、ピンカートン探偵社は、警備会社として運営されているそうです。

■ 日本の探偵社の設立と現代へ

1889年、日本で初めて東京の日本橋に、探偵社が設立されました。その後1895年に今の探偵業態に近いとされる、私立探偵の岩井三郎探偵事務所が設立。
興信所として、1892年に商業興信所、商工社が設立されています。

この岩井三郎探偵事務所は、警視庁出身の岩井三郎が立ち上げた探偵社で、戦艦発注にまつわる収賄事件、「シーメンス事件」の調査を担当したことや、探偵小説で有名な、あの、江戸川乱歩が弟子入りしていたこと、また、日本初の女性の探偵である、天野光子が1930年に入所していたなど、多数のエピソードを持つ。

産業革命などによる産業の発展、都市開発とともに探偵社・興信所は設立され、探偵社・興信所双方が、得意な分野を発展、現在の探偵社・興信所にまで至っています。
2007年以前、探偵社や興信所は特に届け出を出すことなく、探偵であると名乗れば、誰でも開業することが出来た為、悪徳業者に料金をだまされたり、脅されて契約を強引に結ばされたりする探偵社・興信所による犯罪が日本全国、勿論、京都でも多数発生していた過去があり、今でも、探偵社や興信所に怖い、怪しいなど影のあるイメージが払拭されない一面があります。
そんな探偵業界の浄化を図ろうと、一部の優良な探偵社や興信所が集まり、昭和63年に社団法人日本調査業協会を設立。

そして2007年6月に、依頼者を守る探偵業法が施行されました。このことにより、日本の探偵業界全体の健全化が進められています。


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